【著者より】
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CASIO(カシオ)fx-21は、1976(昭和51)年に発売された関数電卓です。電卓博物館の資料によると、当時の発売価格は9800円です。
諸元:
29関数(機能)
・四則計算(4)・メモリー(1)・円周率(1)
・60→10進数変換(1)
・三角(3)・逆三角(3)・双曲線(3)・逆双曲線(3)
・常用と自然対数(2)・指数(2)
・ルート(1)・二乗(1)・べき乗(1)・べき乗根(1)
・逆数(1)・階乗(1)

全機種fx-19との比較:
・分数機能・標準偏差(統計)機能を省かれている。
・双曲線と逆双曲線機能の追加
によって、fxー21は科学関数の機能だけに絞っています。
fx-21と同等機能College fxもあります。個人的な推測として、fx-21は当時に学生向けの廉価版関数電卓と発売されたものと考えられます。
fx-21の詳細:
【1】ディスプレイと桁数
10桁のVFD(真空蛍光管)表示。
通常表示は8桁、指数表現は6(負数は5)桁+2桁。
【2】計算機能
【2.1】三角関数テスト
arcsin(arccos(arctan(tan(cos(sin(9))))))の結果は9.32631です。これは、fx-15と同じです。
【2.2】べき乗計算テスト
「x^y」キーを使って2^26を求める。
「x^y」キーを押すと、2が消える。約1秒あと、2が戻る。
この時間は「ln」キーの作用時間と同じです。結果は67108900です。
なお、e^(26ln 2)を計算してみれば、結果は67108500です。
【3】内部の計算桁数
12345678+0.1234567-12345678の結果は0.12。
四則計算・ルート・二乗などの内部の計算結果から、内部の演算桁数は10桁です。三角関数・逆三角関数・双曲線関数・逆双曲線関数・指数・対数・べき乗とべき乗根の内部の計算桁数は6桁と減ります。
【4】計算の優先順位
ありません。括弧による計算もありません。
1+2×3の計算結果は9です。
【5】電源
単3電池2本、又はアダプターAD-2Sです。消費電力0.2Wです。
裏側の写真は下の通りです。


fx-21の内部写真は下の通りです。入手した時に、電源の導線が錆びていましたから、錫(すず)半田を施し修理しました。


fx-21の外見を見たら、後継機種のfx-31とよく似ています。しかし、fx-31のほうが、性能も高く、日常から科学技術の計算までこなせます。

ツイッターの藤堂俊介さん(@ShunsukeTodo)から注意書き及び全文の言葉遣いの直しをいただきました。本当に感動しました。誠にありがとうございました。